6.1. グローバルファイルストレージ(グローバルデータバックアップ)¶
グローバルファイルストレージ(グローバルデータバックアップ)は、バックアップデータを保管するための共用外部ストレージ領域を提供するサービスです。プライマリデータセンター(同一データセンター)内だけでなく、セカンダリデータセンター(遠隔データセンター)へバックアップデータを保管する機能を提供します。
注釈
- 共用外部ストレージ領域とは、CIFS(Common Internet File System)プロトコルまたはNFS(Network File System)プロトコルで接続されます。
- バックアップデータの保管は、お客様の操作で実行してください。
- グローバルファイルストレージ(グローバルデータバックアップ)は、サービス相互接続を経由して利用します。別途、サービス相互接続を申し込む必要があります。
- セカンダリストレージからプライマリストレージへのリストアは、災害などでプライマリデータセンターが利用できなくなるなどの場合に限り、弊社の判断で実施されます。
6.1.1. 利用できる機能¶
グローバルファイルストレージ(グローバルデータバックアップ)では以下の機能を利用できます。
機能 | 概要 |
データ保存用ストレージの提供 | バックアップデータを保管するための共用外部ストレージ領域を利用する機能。
以下の2つのプランから選択できます。
|
データレプリケーション機能
(ブースト機能)
|
セカンダリストレージプランを選択した場合に、遠隔データセンターのストレージへデータを転送する機能。 |
注釈
- 共用外部ストレージ領域とは、CIFSプロトコルまたはNFSプロトコルで接続されます。
- プライマリストレージ/セカンダリストレージ上のデータを取り出すことができます。
- 仮想ネットワークの伝送速度は、通信量に合わせてブースト(一時的な帯域増加)が可能です。ブースト時の伝送速度は、サービスプラン(S/M/L)によって異なります。
6.1.2. データ保存用ストレージの提供¶
あらかじめ指定されたIPネットワーク上に、CIFSプロトコルまたはNFSプロトコルで接続できるプライマリストレージを設置・設定し、バックアップデータの保管を目的とした共用外部ストレージ領域を利用できます。
注釈
- グローバルファイルストレージ(グローバルデータバックアップ)の共用外部ストレージ領域には、弊社が指定するバックアップ用ストレージが使用されます。バックアップ用ストレージでは、ヘッドユニットをクラスタ構成とし、パリティディスクが2重化されています。
- プライマリストレージとの接続は、サービス相互接続を経由し、伝送速度はお客様のシステム環境や回線の混雑状況などにより変化するベストエフォートで提供されます。
- 1つのサービス相互接続あたり、最大10のストレージを利用できます。
保存用ストレージは、以下のプランから選択できます。
プラン | 概要 |
プライマリストレージ | バックアップ領域として、同一データセンター(プライマリデータセンター)内の共用外部ストレージ領域(プライマリストレージ)のみを提供するプランです。 |
セカンダリストレージ | プライマリストレージに加えて、データレプリケーション機能を提供するプランです。プライマリストレージから遠隔データセンター(セカンダリデータセンター)に設置した共用外部ストレージ領域(セカンダリストレージ)へデータを転送できます。 |
注釈
- 遠隔データセンターで別途コンピュートリソースを利用している場合は、セカンダリストレージに保管したデータを、遠隔データセンター側からサービス相互接続経由で取り出すことができます。ご利用にあたっては、書面による申し込みが必要です。
- 遠隔データセンターのコンピュートリソースから接続する際は、セカンダリストレージは読み取り専用です。新たに作成したデータを保管することはできません。
- 遠隔データセンターへは、データセンター間を仮想ネットワークで接続することでデータを保管できます。
- 仮想ネットワークの伝送速度は、通信量に合わせてブースト(一時的な帯域増加)が可能です。ブースト時の伝送速度は、サービスプラン(S/M/L)によって異なります。
1つの共用外部ストレージ領域の保存容量は、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
下限 | 上限 | 設定単位 | |
保存容量 | 500 GB | 4,000 GB | 100 GB |
※ 1GBは1,024 byteの3乗です。
重要
- 保存容量を削減する際、保管されているデータ容量よりも小さい容量は指定できません。
共用外部ストレージ領域(プライマリストレージ)へ接続するプロトコルは、CIFSまたはNFSを選択します。
なお、プロトコルによって、プライマリストレージを使用できるユーザーを制限する方法が異なります。
使用プロトコル | プロトコルバージョン | 備考 |
NFS | NFS version 3 | プライマリストレージを使用できるユーザーを、接続元のIPアドレス・サーバーセグメントで制限します。 |
CIFS | SMB 1.0およびSMB 2.0 | プライマリストレージを使用できるユーザーを、WORKGROUPユーザーとパスワードで制限します。 |
注釈
- CIFSプロトコルを使用する場合、プライマリストレージにおいて利用できるWORKGROUPユーザーとパスワードは、弊社指定のルールに従って設定してください。
- CIFSプロトコルを使用する場合、共有名は自動的に設定されます。
- 1つのプライマリストレージをNFSプロトコルとCIFSプロトコルの両方で使用することはできません。
6.1.3. データレプリケーション機能(ブースト機能)¶
プライマリストレージとセカンダリストレージ間のデータを同期させるためのデータレプリケーション機能を利用できます。
注釈
- データレプリケーションによって転送されるデータは、前回データ同期時からの差分データとなります。
プライマリストレージとセカンダリストレージ間のレプリケーションのために、レプリケーション用の仮想ネットワークが提供されます。
仮想ネットワークの伝送速度は、通信量に合わせてブースト(一時的な帯域増加)が可能です。ブースト時の伝送速度は、サービスプラン(S/M/L)によって異なります。
プラン | 基本の伝送速度 | ブースト時の伝送速度 |
Sプラン | 10 Mbps | 50 Mbps |
Mプラン | 10 Mbps | 100 Mbps |
Lプラン | 10 Mbps | 500 Mbps |
なお、基本の伝送速度もブースト時の伝送速度もベストエフォートで提供されます。
重要
- レプリケーション用仮想ネットワークは、お客様のシステム環境や回線の混雑状況などにより伝送速度が変化するベストエフォート型サービスです。実際の伝送速度は、他のユーザーの利用状況や設備状況などにより異なります。伝送速度を保証するサービスではありません。
注釈
- ブーストが実行されている期間は、ブーストの課金対象となります。課金単位は分単位です。
- データレプリケーションが終了した際にブーストが実行されている場合、一定時間以内に自動検知してブーストが自動終了します。
プライマリストレージからセカンダリストレージへレプリケーションするタイミングおよびブーストするタイミングは、以下のいずれかから選択できます。
レプリケーション方式 | タイミング |
繰り返し予約 | スケジュールを登録して、定期的にレプリケーションを実行します。 |
スケジュール予約 | 日付(任意の1日)と時間を指定して、レプリケーションを実行します。 |
手動での即時実行 | 操作したときに、レプリケーションを実行します。 |
重要
- データが変更されるたびに、自動的にデータをレプリケーションすることはできません。
プライマリストレージからセカンダリストレージへレプリケーションした場合でも、プライマリストレージ上に作成された以下のディレクトリ/フォルダから手動でデータをリストアします。なお、使用プロトコルによって、ディレクトリ/フォルダ名は異なります。
使用プロトコル | ディレクトリ/フォルダ |
NFS | .snapshot |
CIFS | ~snapshot |
注釈
- 上記のディレクトリ/フォルダには、最後にレプリケーションを実施したデータ(セカンダリストレージ上に保存されているものと同じデータ)が保管されています。
6.1.4. 注意事項¶
IPアドレス グローバルファイルストレージ(グローバルデータバックアップ)で使用する、プレフィックス長が/29のIPアドレスブロックを割り当てる必要があります。IPアドレスブロックの数は、契約したプランによって異なります。
プラン | IPアドレスブロックの数 | IPアドレスブロックから割り当てるIPアドレス |
プライマリストレージ | 1 |
|
セカンダリストレージ(データ保存のみ) | 2 |
|
セカンダリストレージ(保管したデータを遠隔DCで使用する場合) | 3 |
|
重要
- 接続に使用するアドレスブロックおよびIPアドレスは変更できません。
プライマリストレージの共用外部ストレージ領域には、お客様が作成したデータだけでなく、管理用メタファイルも保存されます。
プライマリストレージの利用容量には、この管理用メタファイルのデータ容量も含まれ、お客様データのデータ容量などによって増加します。
ディレクトリサービスとの連携はできません。
プライマリストレージの名称およびマウントのためのパスは、自動的に設定されます。
既存のボリュームを削除すると、保管されているデータも削除され、リストアもできなくなります。
プライマリストレージのデフォルトゲートウェイのIPアドレスは、サービス相互接続GWのIPアドレスです。
一度設定したサービス相互接続を付け替えることはできません。
プライマリストレージとセカンダリストレージの保存容量および接続する際のプロトコルを個別に設定することはできません。自動的に同一に設定されます。
1つのプライマリストレージにつき、1つのセカンダリストレージのみ指定できます。複数のセカンダリストレージを指定することはできません。
セカンダリデータセンター(遠隔データセンター)には、海外のデータセンターをご利用することはできません。詳細は以下をご確認お願いいたします。