4.2. ファイルバックアップ(2016年10月31日サービス終了)

 ファイルバックアップは、仮想サーバーのデータディスクのファイルまたはフォルダ(以下、バックアップファイル)を保存・リストアする機能を提供するサービスです。2016年10月31日をもって提供を終了しました。
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重要

  • ファイルバックアップは、コンピュートリソースまたはコンピュートリソース(専用機器)を提供するデータセンターで利用できます。提供状況はデータセンターごとに異なります。詳しくは、「1.3.2 提供データセンター 」を参照してください。
  • ファイルバックアップは、サーバーセグメントとサービス相互接続を利用します。
  • ファイルバックアップをご利用いただくためには、バックアップ環境を個別に設定するため、別途お申込書が必要となります。

4.2.1. 利用できる機能

 ファイルバックアップでは以下の機能を利用できます。
機能 概要 操作
バックアップファイルの保管 バックアップファイルを弊社が用意したストレージ装置(以下、バックアップ用ストレージ)内に取得保管する機能。 カスタマーポータル
バックアップファイルのリストア
バックアップファイルをリストアする機能。
※ 本機能は、仮想サーバー内にインストールされている専用アプリケーションSymantec社 NetBackup Agent(以下、NBU Agent)から利用可能です。
専用アプリケーション
(Remote ConsoleもしくはRDP、SSH等を利用ください。)
バックアップ・リストア管理 バックアップを管理する機能。バックアップ対象のファイル・フォルダ管理、スケジュール管理、履歴管理を実現する機能。 カスタマーポータル

4.2.2. バックアップファイルの保管

 バックアップは開始時刻がくるとバックアップファイルをバックアップ用ストレージに保存されます。バックアップファイルは、お客様が指定した保持期間保存され、保持期間を過ぎると自動的に削除されます。
バックアップファイルの指定
 バックアップファイルの指定は、カスタマーポータルでバックアップジョブを設定する際に、仮想サーバーを選択し、バックアップ対象のファイルまたはフォルダのパスを入力します。
バックアップファイルの暗号化
 バックアップファイルは、NBU Agentにより自動的に暗号化された上でバックアップ用ストレージへ保存されます。暗号化キーはNBU Agentで生成する必要があります。なお暗号化をオフにすることは出来ません。
 暗号化キーを紛失した場合、バックアップファイルをリストアするには同じ暗号化キーを再度作成する必要があります。その際に元の暗号化キーと同じパスフレーズを使用して暗号化キーを作成する必要があります。

重要

  • パスフレーズを忘れてしまうとバックアップファイルをリストアすることが出来なくなりますので、大切に保存してください。
  • スケジュールタイプ別の保持期間、日付、タイムスロットの設定
スケジュールタイプ フルバックアップ・増分バックアップ 保持期間 日付 ※2 タイムスロット ※2
スポット フルバックアップ 1、31、366日 年月日指定(暦日付) 0-3時、3-6時、6-9時、9-12時、12-15時、15-18時、18-21時、21-0時
日次 フルバックアップ 1、2、3、4、5、6、7、8日 曜日指定(暦日付)
週次 (1)週次フルバックアップ 7、14、21、28、35、42、56日 年月日指定(取得曜日の指定)
(2)週次フルバックアップ+日次増分バックアップ 7、14、21、28、35、42、56日
月次 フルバックアップ 31、62、93、124、155、186、217、248日
第何曜日指定 ※1。(例:第2水曜日)
または年月日指定(1-31日、最終日)
※1 序数と曜日の組み合わせが合わない場合、バックアップは起動しません。
※2 日付、タイムスロットの指定は事前にしたタイムゾーンに依存します。

4.2.3. バックアップファイルのリストア

 バックアップファイルについてバックアップを取得した対象の仮想サーバー上にリストアすることができます。

重要

  • 本機能はカスタマーポータルからは操作できません。仮想サーバーにインストールされているNBU Agentからのみ実行可能です。NBU Agent操作方法の詳細は、ユーザーガイドをご覧ください。
  • リストアは、バックアップを取得した対象の仮想サーバーにのみリストアすることが可能です。対象の仮想サーバー自体を削除するとリストアできなくなりますのでご注意ください。
  • リストアは、元のファイル(もしくはフォルダ)へ上書き保存、新しくファイル(もしくはフォルダ)を生成させて保存の選択が可能ですが、本サービスでは上書き保存を推奨いたします。上書き保存を選択した場合であっても、リストアの際に仮想サーバー上にバックアップファイル分の空きディスク容量が別途必要です。

4.2.4. バックアップ・リストア管理

 ファイルバックアップやリストアに関してスケジュールやジョブ履歴、バックアップファイルの管理機能を提供します。ファイルバックアップジョブが完了すると、自動的に結果がメールで通知されます。
スケジュール管理機能
 バックアップのジョブを管理する機能です。スケジュールタイプ、保持期間、開始日を指定してバックアップジョブを作成したり、作成しているバックアップジョブを変更または削除したりすることができます。
名称 内容
有効フラグ
(Schedule)
このバックアップジョブを有効にするか、無効にするか設定することができます。
ジョブ履歴
(Scheduled jobs)
過去に設定したスケジュールから選択するか、新しく設定するか選択することができます。過去に設定したスケジュールから選択すると、その時に設定内容になります。
スケジュールタイプ スポット(One-Time)、日次、週次、月次のバックアップタイムを選択できます。
増分バックアップ※ スケジュールタイプで週次バックアップを選択された場合のみ、日次での増分バックアップとの組み合わせを選択できます。
保持期間 取得したバックアップファイルをいつまで保存するのかを決定します。スケジュールタイプによって保存できる期間が異なります。
日付 バックアップの開始日を指定いたします。スポット、日次、月次の場合は、開始日、週次の場合は開始曜日の設定をすることができます。さらに月次では第3月曜日といった設定が可能です。
タイムスロット 3時間単位に24時間を指定可能です。
バックアップ対象パス
バックアップの対象とするファイル、またはフォルダのパスを入力します。改行することで複数のパスを同時に記載可能です。
(例:/usr/local (Linuxの場合)、c:\Program Files (Windowsの場合)、など)
※ 仮想サーバー内に存在しないパスを入力してもバックアップスケジュールは登録されますが、バックアップは実行されませんのでご注意ください。また、バックアップジョブ登録後に対象のファイル名やフォルダ名を変更するとバックアップは実行されません。
バックアップタイプ イメージバックアップ、ファイルバックアップのいずれかを選択できます。お申込みがなくても選択できますが、サービスはお申込みをいただいてから設定完了後にご利用いただけます。
※ 1週間に一度フルバックアップを行い、日次で前日との増分のみをバックアップします。これにより、毎日フルバックアップを行う場合に比べ、ご利用料金を節約することが可能です。

重要

  • 有効フラグを無効に設定している間は、バックアップは起動しません。
  • タイムスロットはバックアップ開始時間の目安となるものであり、時間を保証するものではありません。

注釈

  • バックアップジョブは、単一または複数のVMの中に存在するファイル・フォルダをまとめて1つのバックアップジョブとして作成することができます。
仮想サーバー管理機能
 ファイルバックアップの対象として登録されている仮想サーバーについてバックアップジョブ設定の設定が有効であるか、設定内容を確認することができます。またこの機能からスケジュール管理機能へ移動し、新しくスケジュールを設定することも可能です。
バックアップ履歴機能
 バックアップの実行履歴が表示されます。ジョブの開始時間、ジョブタイプ(バックアップ)、ステータス(Success/Failed)、実行時間、対象ファイル・フォルダの順で履歴が表示されます。最新の7日間分の履歴表示とすべての履歴表示の2通りの表示方法があります。リストアは仮想サーバーにインストールされているNBU Agentからのみ実行可能です。リストア履歴についてはNBU Agentから確認可能です。
リストア管理機能
 NBU Agentからバックアップファイル一覧(開始時間、終了時間、ディスクタイプ(全ディスク)の確認やリストアを実行することができます。リストアは即時実行されます。またバックアップファイルをその場で削除することも可能です。ただし、バックアップを設定することはできません。

4.2.5. 注意事項

  • 基盤の利用状況によってはバックアップまたはリストアが失敗することがあります。この場合、通知メールが送信されますので、お客様にてバックアップまたはリストアの再実行をお試しください。
本サービスのお申込について

  • 本サービスをご利用になるには、ファイルバックアップ対象のファイル・フォルダを含む仮想サーバーのAdmin権限・ルート権限のID/パスワードを弊社にお知らせ頂く必要があります。これは弊社にてNBU Agentのインストール・設定を行うためです。提供開始後は速やかにIDの削除、もしくはパスワードの変更を行ってください。

  • また上記NBU Agentのインストール・設定に加え、対象仮想サーバー情報を弊社バックアップ基盤へ登録するなどの作業が必要となります。NBU Agentの設定をお客様にて行われた場合でも、弊社側で上記の登録作業を実施するまでは本サービスは利用できません。

  • バックアップに利用するサーバーセグメントは弊社にてIPアドレスの割当を行います。サーバーセグメント用IPアドレスに、以下に記載するIPアドレスブロックを使用していた場合、本サービスは利用できません。

    • 10.223.112.0/20
  • 本サービスでは1556ポートを利用いたします。事前にお客様にて該当ポートを利用可能にしていただく必要がございます。

    Windowsのファイアウォールの設定は以下のサイトをご参照ください。

    http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/understanding-firewall-settings#1TC=windows-7

  • ファイルバック用のサーバーセグメントの設定はカスタマーポータルにて変更しないでください。変更された場合、バックアップ・リストアの動作は保障いたしかねます。

  • Windows Serverにて本サービスをご利用の場合、以下のレジストリキーが追加されます。ウィルスチェックソフトウエアの利用や、監査ログを取得している場合、レジストリを変更による警告、設定によってはOSが起動できない場合があります。事前に本設定に伴うシステムへの影響をお客様にてご確認いただいた上で、ご利用いただく必要があります。

追加キー
REQESTED_INTERFACE ホスト名(バックアップセグメント)
CRYPT_OPTION REQIRED(固定)
CRYPT_KIND STANDARD(固定)
CRYPT_CIPHER AES-256-CFB(固定)

重要

  • お申し込み後の初期設定にてシステムの再起動、並びにゲストOSカスタマイゼーションが発生するため、IPアドレス、ホスト名、デフォルトGW、サブネット、DNS設定などがリセットいたしますので、初期設定時にシステム停止ができないシステム、ネットワーク設定変更ができないシステムではご利用できません。詳しくは、「3.1.5 リソースの仮想サーバーへの割り当て」の「ゲストOSカスタマイゼーションについて 」を参照してください。
  • 本サービスで使用するサーバーセグメントはバックアップのために予約されております。他の用途でサーバーセグメントは利用しないでください。
推奨環境

  • 本ファイルバックアップサービスのサポート対象は、弊社提供の下記ゲストOSの仮想サーバーテンプレートから作成した仮想サーバーです。
Windows Server 2008 R2 Enterprise
Windows Server 2012 Standard
Red Hat Enterprise Linux Server 5.8/6.2

 Symantec社の以下のサイトにあるNetBackupのサポート対象OSについては、弊社では本サービスの対象ゲストOSとして動作保証していませんのでご注意ください。
  • NBU Agentをインストールする仮想サーバーには約1.5GBのディスク容量と、最低512MBのメモリを必要とします。
バックアップファイルの保存

  • バックアップファイルの保存容量は、バックアップ対象ファイルのサイズです。実際にバックアップ用ストレージに書き込まれたデータ容量とは異なります。
  • バックアップジョブは、単一または複数の仮想サーバーの中に存在するファイル・フォルダをまとめて1つのバックアップジョブとして作成することができます。この際、1つのバックアップジョブで対象とできる仮想サーバーのサイズ(バックアップ対象のファイル・フォルダのサイズではありません)の合計は1500GBまでです。また、これを超えて複数の仮想サーバーを選択する場合は、2つ以上のバックアップジョブに分けて頂く必要があります。
  • バックアップファイルの取得処理は、バックアップ対象仮想サーバーの電源状態がオンになっている場合にのみ実施されます。
  • バックアップ中は、当該バックアップ対象仮想サーバーのディスクI/Oのパフォーマンスが低下する場合があります。
  • バックアップは、お客様が指定したタイムスロット内に開始されます。バックアップ開始時刻を分秒単位に指定することはできません。
  • バックアップの3時間タイムスロットの最後の5分(55分〜0分)はバックアップの設定ができません。(アラートメッセージが表示されます。)
  • 各タイムスロットの同時実行バックアップジョブ数の最大値を超えると、同日で利用可能な最も近いタイムスロット、あるいは同じタイムスロットで最も近い日付を推薦いたします。
  • バックアップ開始時刻に、バックアップ対象の仮想サーバーが削除されていた場合は、バックアップは実施されません。
  • バックアップ処理を実行している間は、対象の仮想サーバーのディスクの拡張は実行できません。
  • バックアップファイルの保持期間の起算点は、バックアップ開始時刻です。
  • バックアップ実行中に対象仮想サーバーのリストアを実行するとバックアップデータに不整合が起きることがありますので実行ないようにしてください。
  • 周期的にバックアップを取得する場合、バックアップ開始時間と保存期間のずれから、バックアップファイルが存在しない時間帯が生じる可能性があります。これを防止するために、非課金の保存期間が1日追加設定されます。
コンピュートリソース(専用機器)のバックアップ
 コンピュートリソース(専用機器)で利用する仮想サーバーを対象にファイルバックアップを利用する場合は、以下の点に注意してください。
  • バックアップ中は、コンピュートリソース(専用機器)で利用するストレージ装置のディスクI/Oのパフォーマンスが一時的に低下する場合があります。
  • ディスクI/Oのご利用状況によっては対応不可の場合がございます。その際は、サポートセンターまでお問い合わせください。
タイムゾーンの差による設定時間と課金時間の違い
 ポータル画面より設定可能な日付、タイムスロットは、現地時間(設定したタイムゾーン)にて設定いたします。ただし、サービス仕様上、協定世界時(UTC)を基準として課金処理されます。したがって日本の場合を例にすると、時差により最大9時間のバックアップ処理は、前日分として課金されます。
例)月末、日本のタイムゾーンでバックアップした際の課金
 タイムゾーンを日本時間(JST)に設定し、バックアップ日付を4月1日0:00(JST)としバックアップ時間を0分とします。
 この時バックアップ保持期間を1日とすると、データの保持期間は、日本時間の4月1日0:00~23:59となりますが、時間をUTCに換算すると、(1)3月31日15:00~23:59、(2)4月1日00:00~14:59となります。つまり(1)は3月分の課金、(2)は4月分の課金として処理されます。
半角カナ名のバックアップ・リストアについて
 半角カナのフォルダ・ファイル名があるとバックアップができません。ただし、該当フォルダの上位フォルダが半角カナ名でない場合、その上位フォルダからバックアップを取ると該当フォルダもバックアップすることができます。リストアする場合もこの該当フォルダを指定することはできませんが、半角カナを含まない上位フォルダを指定してリストアすることは可能です。