4.1. イメージバックアップ

 イメージバックアップは、仮想サーバーのイメージ(以下、バックアップイメージ)を取得・保存する機能と、保存したバックアップイメージから仮想サーバーをリストアする機能を提供するサービスです。
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重要

  • イメージバックアップは、コンピュートリソース(またはコンピュートリソース(専用機器))を提供するデータセンターで利用できます。提供状況はデータセンターごとに異なります。詳しくは、「1.3.2 提供データセンター 」を参照してください。

4.1.1. 利用できる機能

 イメージバックアップではカスタマーポータルにて以下の機能を利用できます。
機能 概要
バックアップ・リストア バックアップを目的としてバックアップイメージを取得保管、リストアする機能。バックアップイメージは弊社が用意したストレージ装置(以下、バックアップ用ストレージ)内に保存されます。リストアは、バックアップイメージを仮想サーバーに直接上書きします。
バックアップ・リストア管理 仮想サーバーのバックアップを管理する機能。スケジュール管理、バックアップ・リストア履歴の確認が可能です。

4.1.2. バックアップ・リストア

バックアップ
 仮想サーバーのバックアップを目的としてバックアップイメージを取得、保管することができます。バックアップは開始時間におけるバックアップ対象のディスクのイメージが取得され、バックアップ用ストレージに保存されます。バックアップ対象のディスクは、以下の通りです。
  • 仮想サーバーの全ディスク
リストア
 バックアップイメージについてバックアップを取得した対象の仮想サーバーに対し上書きリストアすることができます。

注釈

  • 仮想サーバーはPower Offの状態でリストアされます。別途手動で起動させる必要があります。
 リストアされた仮想サーバーはvCPU、メモリー、ディスク、vNICについて以下設定で復元されます。
項目 設定内容
vCPU バックアップ対象仮想サーバーの構成が復元される
メモリー バックアップ対象仮想サーバーの構成が復元される
ディスク バックアップ対象仮想サーバーの構成が復元される
vNIC バックアップ対象仮想サーバーのvNIC情報(IPアドレス、ネットマスク、Macアドレス)が復元される

重要

  • ゲストOSの各種設定は、バックアップ対象仮想サーバーの設定が復元されますが、デフォルトGW、サブネットマスク、DNSなどの一部の設定項目については、バックアップされません。詳しくは、「3.1.5 リソースの仮想サーバーへの割り当て」の「ゲストOSカスタマイゼーションについて 」を参照してください。
  • Windowsをご利用の場合に通常実施される「S-IDの変更」(Sysprep)については、実施されません。

4.1.3. バックアップ・リストア管理

 バックアップやリストアに関してのスケジュールやジョブ履歴参照、バックアップイメージの管理機能を提供します。ジョブはバックアップ、リストアに関連する処理を意味します。イメージバックアップジョブが完了すると、自動的に結果がメールで通知されます。
スケジュール管理機能
 バックアップのジョブを管理する機能です。スケジュールタイプ、保持期間、開始日を指定してバックアップジョブを作成したり、作成しているバックアップジョブを変更または削除したりすることができます。
名称 内容
有効フラグ
(Schedule)
このバックアップジョブを有効にするか、無効にするか設定することができます。
ジョブ履歴
(Scheduled jobs)
過去に設定したスケジュールから選択するか、新しく設定するか選択することができます。過去に設定したスケジュールから選択すると、その時に設定内容になります。
スケジュールタイプ スポット(One-Time)、日次、週次、月次のバックアップタイムを選択できます。
保持期間 取得したバックアップイメージをいつまで保存するのかを決定します。スケジュールタイプによって保存できる期間が異なります。
日付 バックアップの開始日を指定いたします。スポット、日次、月次の場合は、開始日、週次の場合は開始曜日の設定をすることができます。さらに月次では第3月曜日といった設定が可能です。
タイムスロット 1時間単位に24時間を指定可能です。
バックアップタイプ イメージバックアップ、ファイルバックアップのいずれかを選択することができます。

重要

  • 有効フラグを無効に設定している間は、バックアップは起動しません。
  • タイムスロットはバックアップ開始時間の目安となるものであり、時間を保証するものではありません。
 バックアップジョブは、仮想サーバー単位でも作成でき、また複数の仮想サーバーをまとめて1つのバックアップジョブとして作成することもできます。
バックアップスケジュール
 スケジュール管理機能により、スケジュールタイプ毎の保持期間、日付、タイムスロットを指定できます。バックアップは指定したタイムスロットで起動させる方法のみ提供されます。時間は、取得する現地時間で指定することができます。
  • スケジュールタイプ別の保持期間、日付、タイムスロットの設定
スケジュールタイプ 保持期間 日付 ※2 タイムスロット ※2
スポット 1、31、366日 年月日指定(暦日付) 0−1時、1−2時、2−3時、3−4時、4−5時、5−6時、6−7時、7−8時、8−9時、9−10時、10−11時、11—12時、12−13時、13−14時、14−15時、15−16時、16−17時、17−18時、18−19時、19−20時、20−21時、21−22時、22−23時、23−24時
日次 1、2、3、4、5、6、7、8日 年月日指定(暦日付)
週次 7、14、21、28、35、42、49、56日 曜日指定(取得曜日の指定)
月次 31、62、93、124、155、186、217、248日
第何曜日指定 ※1。(例:第2水曜日)
または年月日指定(1-31日、最終日)
※1 序数と曜日の組み合わせが合わない場合、バックアップは起動しません。
※2 日付、タイムスロットの指定は事前にしたタイムゾーンに依存します。

仮想サーバー管理機能
 登録されている仮想サーバーについてバックアップジョブの設定が有効であるか、設定内容を確認することができます。
バックアップ・リストア履歴の表示機能
 バックアップまたはリストアの実行履歴が表示されます。ジョブの開始時間、ジョブタイプ(バックアップあるいはリストア)、ステータス(Success/Failed)、実行時間、対象仮想サーバーの順で履歴が表示されます。最新の7日間分の履歴表示とすべての履歴表示の2通りの表示方法があります。
バックアップイメージ管理・リストア機能
 バックアップイメージの一覧を表示します。一覧では、開始時間、終了時間、イメージサイズ、ディスクタイプ(全ディスク)が表示されます。この一覧からリストアを実行することができます。リストアは即時実行されます。またバックアップイメージをその場で削除することも可能です。

4.1.4. 注意事項

  • 基盤の利用状況によってはバックアップまたはリストアが失敗することがあります。この場合、通知メールが送信されますので、お客様にてバックアップまたはリストアの再実行をお試しください。
  • 仮想サーバーを削除しても、保管されたバックアップイメージは自動的に削除されませんので、必ず事前にバックアップイメージを削除ください。バックアップイメージを残したままですと、保管期間終了まで課金が継続されます。もし、バックアップイメージを残した状態で仮想サーバーを削除すると仮想サーバーの操作画面からバックアップイメージを削除することができなくなります。この場合、カスタマーポータルのバックアップ管理メニューより削除いただく必要があります。手順については「ご利用ガイド(カスタマーポータルver2.0版/イメージバックアップ)」を参照ください。
推奨環境

  • イメージバックアップサービスのサポート対象は弊社提供の下記ゲストOSの仮想サーバーテンプレートから作成した仮想サーバーです。
Windows Server 2008 R2 Enterprise
Windows Server 2012 Standard
Windows Server 2012 R2 Standard
Windows Server 2016 Standard
Red Hat Enterprise Linux Server 5.8/6.2/6.5/6.7/7.1

バックアップイメージの保存

  • バックアップイメージの保存容量は、バックアップ対象仮想サーバーのディスクのサイズです。実際にバックアップ用ストレージに書き込まれたデータ容量とは異なります。

重要

  • 新規作成した仮想サーバーのジョブ登録を行うには、事前にバックアップ編集画面を表示させる必要があります。その操作後、およそ2~5時間後にジョブ登録が可能になります。
  • 仮想サーバーのディスクサイズに対して課金されます。
  • バックアップイメージの保持期間の起算点は、バックアップ開始時刻で、この時点から課金対象となります。取得に失敗した場合は課金されません。
  • イメージバックアップを取得する際に対象仮想サーバーと同じリソースプールにスナップショット容量を確保いただく必要があります。必要容量は、目安として仮想サーバーの(全ディスクサイズ+メモリーサイズ)の20%程度です。
  • イメージバックアップで取得できるデータの最大サイズは2032GBまでです。ディスクサイズが2032GBを超えますとバックアップが取得できませんので、ご注意ください。
  • バックアップイメージの取得処理は、バックアップ対象仮想サーバーの電源状態によらず実施されます。
  • バックアップ中は、当該バックアップ対象仮想サーバーのディスクI/Oのパフォーマンスが低下する場合があります。
  • バックアップは、お客様が指定したタイムスロット内に開始されます。バックアップ開始時刻を分秒単位に指定することはできません。
  • バックアップの1時間タイムスロットの最後の5分(55分〜0分)はバックアップの設定ができません。(アラートメッセージが表示されます。)
  • 各タイムスロットの同時実行バックアップジョブ数の最大値を超えると、同日で利用可能な最も近いタイムスロット、あるいは同じタイムスロットで最も近い日付を推薦いたします。
  • バックアップ開始時刻に、バックアップ対象の仮想サーバーが削除されていた場合は、バックアップは実施されません。
  • バックアップ処理を実行している間は、対象の仮想サーバーのディスクの拡張は実行できません。
  • バックアップにおいて、ファイルシステムの整合性を確実に取りたい場合は、仮想サーバーの電源をOFFにするなど、静止点を取ってバックアップされることをお勧めいたします。

重要

  • カスタマーポータルからShutdownボタンを押下すると(またはゲストOSにログインしてShutdownコマンドを実行)、仮想サーバーの電源状態はPartially Powered Off状態に遷移します。その後、仮想サーバーの電源を完全に停止するために、必ずPower Offボタンを押下してください。
  • バックアップ実行中に対象仮想サーバーのリストアを実行するとバックアップデータに不整合が起きることがありますので実行ないようにしてください。
  • バックアップをリストアすると、バックアップを取得した時点の古いroot/Adminパスワードが有効となります。この古いパスワードが分からないと仮想サーバーにログインすることが出来なくなりますのでご注意ください。
  • バックアップイメージは、お客様が指定した保持期間の間、バックアップ用ストレージに保存され、保持期間を過ぎると自動的に削除されます。保持期間の延長はできません。
  • 外部ストレージをマウントした状態ではバックアップを取得することができません。アンマウントしてバックアップしてください。リストア時は再マウントしてからご利用ください。
  • vAppおよび仮想サーバーの識別名(Friendly Name)で利用できる文字種はASCII文字のうち下記で指定されるものに限ります。それ以外の場合はバックアップ、リストアに失敗します。バックアップが成功している場合でも、リストアができません。なお一度でも指定文字種以外を使用された場合も該当します(システム側で保持する情報が消去されません)。vAPP及び仮想サーバー識別名の入力時は十分ご注意ください。
vApp、仮想サーバー識別名に利用可能なASCII文字
アルファベット(大文字、小文字) A-Z,a-z
数字 0-9

バックアップイメージのリストア

  • リストアは、バックアップを取得した対象の仮想サーバーに対して上書きリストアされます。

重要

  • リストア後、初回起動時のゲストOSカスタマイゼーションに時間を要する場合があります。リストア完了メール受領後(メール受領設定をされている場合)もしくは、カスタマーポータルのバックアップレポートにおいてステータス「成功」から約30分後に操作を開始してください。
  • リストア時は初回PowerOn前に仮想サーバーの操作(SIDの変更を有効にする等)は行わないでください。
  • 対象の仮想サーバーを削除するとリストア処理ができません。
  • 過去のパフォーマンス、統計情報等は削除されます。
  • リストア後、ゲストOSのNIC関するパラメータが変更されることがあります。通信への影響はありませんが、なにか不都合がある場合はサポートまでお問い合わせください。
  • バックアップ取得後に、運用中の仮想サーバーの追加ディスクを削除し、コンピュートリソースプールのディスク契約量を減らしている場合は、リストアに必要なディスク契約が確保されているかを確認の上、リストアを実行してください。
  • 同一コンピュートリソースプールへのリストアは、1台ずつ実施ください。なお、バックアップおよびリストア時にオーバーヘッドとしてのコンピュートリソース上の空きメモリー、ストレージが必要です(仮想サーバーに割り当てているメモリーの最大20%程度、ストレージは同等以上を推奨いたします)。
  • 仮想サーバーのIPアドレスがvファイアウォールまたはvロードバランサーに設定登録されている場合、一時的にvファイアウォールまたはvロードバランサーの設定を除外した上でリストアください。リストアが完了しない状態が継続した場合、サポートセンターまでチケットでお問い合わせください。
  • 仮想サーバーのバックアップ取得時のIPアドレスを、別の仮想サーバーに割当し運用しないでください。IPアドレスの重複よりリストアに失敗します。
コンピュートリソース(専用機器)のバックアップ
 コンピュートリソース(専用機器)で利用する仮想サーバーをバックアップする場合は、以下の点に注意してください。
  • バックアップの作業領域として、コンピュートリソース(専用機器)で利用するストレージ装置のディスクリソースの10%が使用されます。
  • バックアップ中は、コンピュートリソース(専用機器)で利用するストレージ装置のディスクI/Oのパフォーマンスが一時的に低下する場合があります。
  • ディスクI/Oのご利用状況によっては対応不可の場合がございますので、お問い合わせください。
リストアされた仮想サーバーのライセンス

  • バックアップ対象の仮想サーバーが弊社提供OSライセンスを利用していた場合、上書きリストアされた仮想サーバー上のライセンスは当該OSライセンス同等とみなされます。そのため、リストアされた仮想サーバーにOSライセンスが追加されることはありません。
ゲストOSの設定
 ゲストOSのネットワーク設定を変更する場合は、使用しないvNICであっても、認識済みのvNICを無効化しないでください。vNICを無効化した仮想サーバーをバックアップ・リストアした際、不具合が生じる場合があります。
タイムゾーンの差による設定時間と課金時間の違い
 ポータル画面より設定可能な日付、タイムスロットは、現地時間(設定したタイムゾーン)にて設定いたします。しかし、システム的には協定世界時(UTC)にて動作しているため課金もUTCにて処理されます。したがって日本の場合では、最大9時間のバックアップ処理は、前日分の処理として課金されます。
例)月末、日本のタイムゾーンでバックアップした際の課金
 タイムゾーンを日本時間(JST)に設定し、バックアップ日付を4月1日0:00(日本時間)とし(話を簡単にするために)バックアップ時間を0分とします。
 この時バックアップ保持期間を1日とすると、データの保持期間は、日本時間の4月1日0:00~23:59となりますが、時間をUTCにて換算すると、(1)3月31日15:00~23:59、(2)4月1日00:00~14:59となります。したがいまして(1)は3月分の課金として、(2)は4月分の課金として処理されます。
 バックアップまたは、リストア完了時に送信されるメール内記載の作業日時はUTCで表記されます。
OSマネジメント利用の場合
 OSマネジメントサービスを利用している場合は、イメージバックアップサービスをご利用いただくことができません。
課金について
 課金の起算点は、バックアップ開始時刻です。この時刻を分秒単位に指定することはできず、お客様指定のタイムスロット内で開始されます。また、課金単位は1時間で、分・秒は繰り上げされます。そのため、スケジュールタイプや課金開始時刻によっては、指定した保管期間より1時間分追加で課金されることがあります。