3.7. データベースライセンス(Oracle EE)

 DBライセンス(Oracle EE)は、弊社管理のコンピュートリソースを利用しOracle ® Database Enterprise Edition(以下、Oracle EE)の実行環境およびライセンスを提供するサービスです。
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※ Oracleは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

3.7.1. 利用できる機能・サービス

 本サービスでは、Enterprise Cloudサービスの基本サービスに加え、以下の機能・サービスを利用できます。
機能・サービス 概要
Oracle Database仮想サーバー用
コンピュートリソースプールおよび
パブリックカタログ
Oracle EE用のコンピュートリソースプールおよびOracle EE用仮想サーバーテンプレートを格納したパブリックカタログをご提供します。
Oracle Databaseソフトウェアライセンス
Oracle EE稼働に必要なOracle Database Enterprise Editionライセンスをご提供します。
Oracle Databaseソフトウェアサポート
Oracle Databaseソフトウェアに対する技術問い合わせおよび修正パッチといった製品サポートをご提供します。
また、お客様がご希望の場合、My Oracle Supportによるナレッジの検索・閲覧、修正パッチのダウンロードが可能です。

1) Oracle Database仮想サーバー用コンピュートリソースおよびパブリックカタログ
  • Oracle EE専用のコンピュートリソース基盤(以下、EE基盤)をご提供します。お客様は、このEE基盤上にOracle EE専用のコンピュートリソースプール(以下、EEリソース)を作成できます。

  • Oracle Databaseソフトウェアをインストールした仮想サーバー(以下、EE仮想サーバー)を作成できるテンプレートを格納したパブリックカタログをご提供します。

  • お客様は、EEリソース上にEE仮想サーバーを作成することによりOracle Databaseが利用できます。

  • EEリソース以外のコンピュートリソースプールにEE仮想サーバーを作成した場合、ライセンス違反となります。

  • EE基盤は、1つ(Zone※1が1つ)です。EEリソースには、複数のZoneを設定できません。

    ※1 Zoneの詳細は、「3. コンピュート機能(グローバル標準メニュー)」をご参照ください。

  • EEリソースは、カスタマーポータルの「プールの追加」から、以下「タイプ」として表示されるEE基盤を選択することで作成できます。

タイプ
Guaranteed Compute /Premium Storage/Zone A/Oracle EE

  • EE仮想サーバーは、複数作成することができます。作成上限は、Enterprise Cloudサービスの仕様に準じます。
  • EE仮想サーバーにインストールされるOracle Databaseは、お客様にご指定頂いたメジャーバージョンのご提供時点での最新Patch Set Release(PSR)です。ただし、不具合解消のため、Patch Set Update(PSU)またはCritical Patch Update(CPU)が適用されている場合があります。
  • お引渡し時は、Oracle Databaseパッケージインストール済みの状態です。お客様は、EE仮想サーバーにアクセスし、Database Configuration Assistant(DBCA)やcreate databaseコマンドでデータベースを作成する必要があります。
  • EE仮想サーバーへ割り当て可能なリソースは、Enterprise Cloudサービスに準じます。ただし、収容設備によっては、上限値が制限される場合があります。
2) Oracle Databaseソフトウェアライセンス
  • EEリソースには、Oracle Corporationより弊社がライセンス許諾されたOracle Databaseソフトウェアライセンス(Oracle Database Enterprise Edition)が適用済みです。新たにOracle Databaseソフトウェアライセンスを購入する必要はありません。
  • 本サービスで提供されるライセンスは、Oracle Database Enterprise Editionのみです。オプション製品のライセンスは一切含まれません。提供されるライセンスで利用可能な機能以外の機能を使用した場合は、ライセンス違反となります。
3) Oracle Databaseソフトウェアサポート
  • 弊社がOracle Corporationから提供されるOracle Databaseソフトウェアのサポート範囲に限り、Oracle Databaseソフトウェアに関する技術問い合わせ対応および修正パッチの提供といった製品サポートをご提供します。
  • 技術問い合わせおよび修正パッチの提供のご依頼は、カスタマーポータルのチケットをご利用ください。
  • 本サービスには、修正パッチのインストール作業は含まれません。
  • 弊社が修正パッチをダウンロードしてご提供する場合、修正パッチをアップロードするEE仮想サーバーのアカウントを借用させて頂く場合があります。
  • お客様がご希望の場合、お客様自身がMy Oracle Supportにてナレッジの検索・閲覧、修正パッチのダウンロードが行えるサポートIDをご提供します。サポートIDの発行は、カスタマーポータルのチケットにてご依頼ください。
  • My Oracle Supportでは、サービス・リクエスト(SR)の申請は行えません。技術問い合わせは、カスタマーポータルのチケットをご利用ください。

3.7.2. サービス詳細および利用・設計の注意事項

 本サービスの詳細および本サービスを利用したシステム設計における注意事項は、以下の通りです。
1) サービスの構成要素
 本サービスを利用するためには、別途以下の表に示すサービスの申し込みが必要です。
サービス名 機能概要
コンピュートリソース
EE仮想サーバー稼働に必要なEEリソースをご提供します。
  • コンピュートクラス:Guaranteed
  • ストレージクラス:Premium
OSライセンス
EE仮想サーバーのOSライセンスとソフトウェアをご提供します。
  • Red Hat Enterprise Linux

2) Oracleソフトウェア設定
 お客様指定パラメータ以外のOracleソフトウェアの既定設定もしくは選択可能な設定は、以下の通りです。既定の設定は、変更できません。
データベース・ソフトウェア名、バージョン
項目 内容
データベース・ソフトウェア Oracle Database Enterprise Edition
バージョン 11.2.0.4.X※1, 12.1.0.2.X※1
※1 バージョンの”X”の部分は適宜変更になります。お客様による指定はできません。

EE仮想サーバーOS
OS名およびバージョン
Red Hat Enterprise Linux 6 x86_64版 (64bit版)

Oracle Databaseソフトウェア所有者アカウント
<Oracle Database 11.2の場合>
Red Hat Enterprise Linux
Oracle Databaseソフトウェア
所有者アカウント
所属グループ 備考
oracle
oinstall(プライマリグループ),
dba
Oracleインストール・ユーザー

<Oracle Database 12.1の場合>
Red Hat Enterprise Linux
Oracle Databaseソフトウェア
所有者アカウント
所属グループ 備考
oracle
oinstall(プライマリグループ),
dba, oper, backupdba, dgdba, kmdba
Oracleインストール・ユーザー

Oracleソフトウェア名・ソフトウェア格納場所
<Oracle Database 11.2の場合>
Red Hat Enterprise Linux
Oracleソフトウェア名 Oracleソフトウェア格納場所 備考
Oracle Database (Oracleベース) /u01/app/oracle/ Oracle Databaseソフトウェアのみインストール済み。
Oracle Database (Oracleホーム) /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1
Oracle Grid Infrastructure /oracle_product/grid/ インストーラを格納。
Oracle Database Client (64bit) /oracle_product/client/ インストーラを格納。
Oracle Database Gateways /oracle_product/gateways/ インストーラを格納。
Oracle Database Examples /oracle_product/examples/ インストーラを格納。

<Oracle Database 12.1の場合>
Red Hat Enterprise Linux
Oracleソフトウェア名 Oracleソフトウェア格納場所 備考
Oracle Database (Oracleベース) /u01/app/oracle/ Oracle Databaseソフトウェアのみインストール済み。
Oracle Database (Oracleホーム) /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1
Oracle Grid Infrastructure /oracle_product/grid/ インストーラを格納。
Oracle Database Client (64bit) /oracle_product/client/ インストーラを格納。
Oracle Database Client (32bit) /oracle_product/client32/ インストーラを格納。
Oracle Database Gateways /oracle_product/gateways/ インストーラを格納。
Oracle Database Examples /oracle_product/examples/ インストーラを格納。
Oracle Database Global Service Manager /oracle_product/gsm/ インストーラを格納。

EE仮想サーバーOSに対するOracle Database向けパラメータ設定
<Oracle Database 11.2および12.1>
Red Hat Enterprise Linux
パラメータ名
カーネル・パラメータ
fs.aio-max-nr 1048576
fs.file-max 6815744
kernel.shmall 2097152
kernel.shmmax 536870912
kernel.shmmni 4096
kernel.sem 250 32000 100 128
net.ipv4.ip_local_port_range 9000 65500
net.core.rmem_default 262144
net.core.rmem_max 4194304
net.core.wmem_default 262144
net.core.wmem_max 1048576
Oracleユーザーのリソース制限パラメータ
単一ユーザーが使用可能なプロセス数のソフトリミット(soft nproc) 2047
単一ユーザーが使用可能なプロセス数のハードリミット(hard nproc) 16384
オープン・ファイル記述子数のソフトリミット(soft nofile) 1024
オープン・ファイル記述子数のハードリミット(hard nofile) 65536
プロセスのスタック・セグメントのサイズのソフトリミット(soft stack) 10240

Oracle Databaseインストール・パラメータ
<Oracle Database 11.2の場合>
Red Hat Enterprise Linux
パラメータ名
インストール・オプション データベース・ソフトウェアのみインストール
Gridインストール・オプション 単一インスタンス・データベースのインストール
製品言語の選択 日本語、英語
データベース・エディションの選択 Enterprise Edition
インストール場所  
 Oracleベース /u01/app/oracle
 ソフトウェアの場所(Oracleホーム) /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1

<Oracle Database 12.1の場合>
Red Hat Enterprise Linux
パラメータ名
インストール・オプション データベース・ソフトウェアのみインストール
Gridインストール・オプション 単一インスタンス・データベースのインストール
製品言語の選択 日本語、英語
データベース・エディションの選択 Enterprise Edition
インストール場所  
 Oracleベース /u01/app/oracle
 ソフトウェアの場所(Oracleホーム) /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1

Oracle Database修正パッチ格納場所
Red Hat Enterprise Linux
格納場所
/oracle_product/patches/

3.7.3. 制約事項

 本サービスのご利用にあたっての制約事項は、以下の通りです。
1) Oracle Databaseソフトウェア
 本サービスでご提供するOracle Databaseソフトウェアに関する制約事項は、以下の通りです。
  • 利用ソフトウェアに対するOracle Corporationから弊社へのサポートプログラム終了時には、本サービスの提供を終了します。
2) 利用が制限される機能、サービス
 本サービスを利用した場合、Enterprise Cloudサービス機能でご利用が制限されるものがあります。制限内容は、以下の通りです。
プライベートカタログ

  • EE仮想サーバーに対して、プライベートカタログが利用可能です。ただし、取得したEE仮想サーバーイメージは、Enterprise Cloudサービスがご提供するEEリソースのみで利用可能です。EEリソース以外のコンピュートリソースおよびEnterprise Cloud以外のコンピュートリソース対してデプロイできません。実施した場合、ライセンス違反となります。
  • プライベートカタログから作成されたEE仮想サーバー上のOracle Databaseの動作およびデータの整合性は、保証されません。
  • 弊社は、プライベートカタログから作成したEE仮想サーバー復旧の責を負いません。
イメージバックアップサービス

  • EE仮想サーバーに対して、イメージバックアップが利用可能です。ただし、取得されたイメージの動作およびデータの整合性は、保証されません。
  • 弊社は、イメージバックアップを用いたEE仮想サーバー復旧の責を負いません。
3) 故障復旧
  • お引渡し後、EE仮想サーバーが故障した場合、弊社はEE仮想サーバー、インストールされたすべてのソフトウェアおよびデータの復旧の責を負いません。
4) 性能保証
  • 本サービスは、性能を保証しません。本サービスは、リソース共用型サービスであり、収容状況によっては、十分な性能が得られない場合があります。

3.7.4. 本サービスの運用保守

 本サービスでご提供するEE仮想サーバーの運用保守内容は、以下の通りです。
  • EE仮想サーバーは、「Enterprise Cloudサービス機能説明書」の「10. Enterprise Cloudサービスの保守運用(日本契約の場合)」に準じ、サポートされます。
  • 上記に加え、本サービスでご提供するOracle製品に関する技術問い合わせを受け付け、調査、回答します。技術問い合わせに対する調査・回答時間を行います。