3.4. OSライセンス

 OSライセンスとは、コンピュートリソースに作成された仮想サーバーに対して、オープンソースのOS、Windows ServerオペレーティングシステムのOSライセンス、またはRed Hat Enterprise Linuxのサブスクリプションを利用する権利を提供するサービスです。

注釈

  • OSライセンスでは、Microsoft社のSPLAライセンス規約間で締結した契約に基づいたOSライセンス、または、Red Hat社との間で締結した契約に基づいたサブスクリプションを、弊社で独自にサービス化して提供します。

3.4.1. 利用できる機能

 OSライセンスでは以下の機能を利用できます。
機能 概要
OSライセンスの提供 コンピュートリソース上の仮想サーバーでWindowsやLinuxを動作させるためのOSライセンスを利用する機能。
パブリックカタログの提供 上記ライセンスを提供するための、OSインストール済みの仮想サーバーのテンプレートを利用する機能。
OSライセンス切り替え※ お客様がローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーのテンプレートから、 Enterprise Cloud サービス上に仮想サーバーを作成する際、仮想サーバーのOSライセンスを弊社が提供するSPLAへ切り替える機能。
※ JP,US,UK,SG,HK,TH,MYで提供中。FR,ESのデータセンターは今後提供予定です。

3.4.2. OSライセンスの提供

 OSライセンスで提供されるOSライセンスおよびサブスクリプションは以下のとおりです。仮想サーバー1台に対して、1つのライセンスが提供されます。
Microsoft社のOSライセンス Windows Server 2012 Standard Japanese/English 64bit版
Windows Server 2012 R2 Standard Japanese/English 64bit版
Windows Server 2016 Standard Japanese/English 64bit版
Red Hat社のサブスクリプション Red Hat Enterprise Linux Server 5/6 Japanese/English keyboard layout 64bit版
Red Hat Enterprise Linux Server 7 English keyboard layout 64bit版
オープンソースOS CentOS 6 English keyboard layout 64bit版
Ubuntu 14 English keyboard layout 64bit版
※ Red Hat Enterprise Linux7は埼玉第1、横浜第1、関西1、関西1aデータセンターで利用可能です。その他、順次提供予定です。

注釈

  • OSライセンスを利用すると、お客様はRed Hat Enterprise Linuxのソフトウェア サブスクリプションの「ソフトウェア アクセス」「ソフトウェア保守」の機能を利用することができます。それらの機能を利用するための手段・アクセス方法については、弊社からの指定に従ってください。

3.4.3. パブリックカタログの提供

 オープン ソースのOS、Microsoft社のOSライセンスおよびRed Hat社のサブスクリプションが提供された仮想サーバーを作成するためのテンプレートが利用できます。
 テンプレートは、カスタマーポータルからコンピュートリソースまたはコンピュートリソース(専用機器)内に仮想サーバーを作成するときに利用できます。

重要

  • Microsoft社のOSライセンスおよびRed Hat社のサブスクリプションは、提供されるテンプレートを使用して作成した仮想サーバー(以下、OSライセンスで作成した仮想サーバー)に対してのみ提供されます。
  • テンプレート(本サービスで提供するオープンソースのOS含む)は、パブリックカタログに保存されている該当データセンター内でのみ利用可能です。他のデータセンターへは持ち出さないで下さい。

注釈

  • テンプレートを使用して仮想サーバーを作成すると、OSインストール済みの仮想サーバーをすぐに利用できます。
  • テンプレートはデータセンターごとに存在し、該当データセンター利用者全員がアクセスできるパブリックカタログに保存されています。

3.4.4. OSライセンス切り替え

 お客様がローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーのテンプレートから、Enterprise Cloud サービス上にお客様が仮想サーバーを作成した後、仮想サーバーのOSライセンスを弊社が提供するSPLAへ切替えます。
 OSライセンスの切り替えは、お客様の申し込みに従って弊社が実施します。カスタマーポータルから実施することはできません。

注釈

  • OSライセンス切り替え前に、お客様がローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーイメージをプライベートカタログにインポートしてください。

  • OSライセンス切り替え後は、プライベートカタログにインポートしたテンプレートを削除してください。

  • Windows Serverライセンスのアクティベーション作業は弊社より提供する手順書を参考にお客様にて実施いただきます。

  • 本サービスのサポート対象はVL(Volume License)版のライセンスでインストールされている仮想サーバーです。

    仮想サーバーのデフォルトゲートウェイはvファイアウォール/統合ネットワークアプライアンスに設定されている必要があります。それ以外の場合、本機能を利用できません。

提供可能なOSライセンス
 OSライセンス切り替え可能なOSライセンスは以下のとおりです。
  • Windows Server 2008 R2 Standard Japanese/English 64bit版
  • Windows Server 2008 R2 Enterprise Japanese/English 64bit版
  • Windows Server 2008 Standard Japanese/English 64bit版/32bit版
  • Windows Server 2008 Enterprise Japanese/English 64bit版/32bit版
  • Windows Server 2012 Standard Japanese/English 64bit版
  • Windows Server 2012 R2 Standard Japanese/English 64bit版
  • Windows Server 2016 Standard Japanese/English 64bit版
※ OSライセンス切り替えを実施するデータセンターで該当するバージョンのパブリックカタログが提供されている必要があります。

3.4.5. 注意事項

  • OSライセンスでは、パブリックカタログの仮想サーバーテンプレートを利用する場合の初期設定、サーバーへの初回ログイン、およびOSライセンス認証についてサポートいたします。OSに関わる監視・運用サービスは含まれません。
  • OSライセンスでは、お客様が使用するライセンス製品に関連して、お客様が直面したインストール、セットアップ、基本的な機能に関する不具合などへの対処方法について、お客様からの依頼に対して、弊社はサポート(調査、支援、アドバイス)を行いません。
  • OSライセンスで提供されるプログラムを利用するにあたり、Microsoft製品であればサービスプロバイダー製品使用権説明書(SPUR)、Red Hat製品であればRed Hatエンタープライズ契約に同意したものとして取り扱われます。詳しくは、以下のURLを参照してください。


  • 書面またはその他の手段で、アクティベーションキー、サブスクリプション番号などのインストールに必要な情報を、お客様に直接開示することはできません。
  • Microsoft社、Red Hat社のサポート終了したOSバージョンのご利用についてのサポートおよび動作保障はしませんが、サービス利用料金は継続して課金されます。
Windows制約事項

  • OSライセンスで作成した仮想サーバーにインストールできるMicrosoft社の製品は以下のとおりです。
    • 共用サーバー上において利用が許諾されている製品
  • 完全メモリーダンプを使用する場合は、ダンプファイルが作成されるドライブに「仮想サーバーに割り当て済みのメモリー+300 MB」以上の空き領域が必要です。
  • Windows Server のライセンス認証について
    • NTPサーバー等を利用し、時刻を合わせる必要があります。サーバーの時刻が現在時刻と大きく異なる場合はライセンス認証されません。
    • 仮想サーバーのデフォルトゲートウェイがvファイアウォール/統合ネットワークアプライアンスに設定されている必要があります。デフォルトゲートウェイを上記以外に設定する場合は、お客様にてスタティックルートを設定いただく必要があります。ライセンス認証ホストにはグローバルアドレスを利用していますが、通信は全て弊社サービス基盤内に閉じており、インターネットに出ることはありません。認証ルート情報詳細については個別にテクニカルヘルプデスクにお問い合せください。
  • パブリックカタログを利用して仮想サーバーを作成後、お客様にてWindows Updateを実施してください。
  • ご利用中のOSライセンスで作成した仮想サーバーへ、Windows Updateを実行するためには、インターネットへの接続環境が必要です。
Red Hat Enterprise Linux制約事項

  • OSライセンスでは、お客様がRed Hatカスタマーポータル(旧Red Hat Network)にログインするためのRHNログインIDの情報は提供されません。

  • お客様の希望で、Red Hat Enterprise Linuxサブスクリプションに含まれる任意のソフトウェアをインストールする場合は、お客様自身がyumインターフェースを使用してインストールしてください。

  • 弊社はrpmパッケージ配信用レポジトリサーバー(Red Hat Update Infrastructure、以降RHUI)を提供します。yumインターフェースによるパッケージ更新を行うためには以下の条件が必要です。

    • 仮想サーバーがRHUI設定を含むパブリックカタログテンプレートから作成されていること。
    • 仮想サーバーのデフォルトゲートウェイがvファイアウォールもしくは統合ネットワークアプライアンスに設定されていること。デフォルトゲートウェイを変更しているなど、RHUIサーバーへの接続経路が確保されていない場合は、RHUIサーバーへの経路情報を追加してください(本書 5.3 サーバーセグメント章の「DNSおよびデフォルトゲートウェイの設定」および別冊の「サービス機能説明書(IPアドレス編) 」を参照ください)。
    • 本サービスのインターネット接続メニューのグローバルIPアドレスを利用していること。コロケーション接続の利用やEnterprise Cloud 2.0に接続する環境で、他事業者やEnterprise Cloud2.0のグローバルIPアドレスを利用している場合はyum更新できません(例えばOCNなど、弊社他サービスも該当します。)。データセンター毎にIPアドレスのアクセス制限をしています。
  • yum updateはBaseリポジトリのパッケージのみ対象とします。それ以外のパッケージは弊社にてリポジトリへの追加登録をいたしません。

    なお、RHUI対応のパブリックカタログから作成した仮想サーバーをご利用の場合は、下記レポジトリのパッケージはyum updateの対象となります。

RHUI設定を含むパブリックカタログ一覧

  • 115 red hat enterprise linux 6.2 64bit keytype jp 以降
  • 001 RedHatEnterpriseLinux 7.1 x64 key us
  • 012 Red Hat Enterprise Linux 5.8 64bit Keytype JP(Extended Life cycle Support利用時)
リポジトリ名
Red Hat Enterprise Linux 5 Server - RH Common from RHUI (Debug RPMs) (5Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 5 Server - RH Common from RHUI (RPMs) (5Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 5 Server from RHUI (RPMs) (5Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 6 Server - Optional from RHUI (Debug RPMs) (6Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 6 Server - Optional from RHUI (RPMs) (6Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 6 Server - RH Common from RHUI (Debug RPMs) (6Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 6 Server - RH Common from RHUI (RPMs) (6Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 6 Server from RHUI (Debug RPMs) (6Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 6 Server from RHUI (RPMs) (6Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 7 Server - Optional from RHUI (Debug RPMs) (7Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 7 Server - Optional from RHUI (RPMs) (7Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 7 Server - RH Common from RHUI (Debug RPMs) (7Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 7 Server - RH Common from RHUI (RPMs) (7Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 7 Server from RHUI (Debug RPMs) (7Server-x86_64)
Red Hat Enterprise Linux 7 Server from RHUI (RPMs) (7Server-x86_64)

  • ご利用中のOSライセンスで作成した仮想サーバーへ、yum updateを実行するためには、インターネットへの接続環境が必要です。Japan Saitama No.1、Yokohama No.1、Kansai1、Singapore Serangoon、Hong Kong Tai Po、Thailand Bangna、Malaysia Cyberjaya3 データセンターにおいては、VPN接続サービスのみ利用している場合もyum updateは可能となります。
  • yum upgradeコマンドによるパッケージバージョンアップ(ver6.2⇒ver6.5等)は、弊社サポート対象外です。
CentOS、Ubuntu注意事項

  • リポジトリサーバーへアクセスするためにはインターネット接続環境が必要です。
OSライセンス切り替え 注意事項

  • 仮想サーバーのテンプレートは「3.3プライベートカタログ」の「3.3.4 テンプレートのインポート機能」を参照して作成して下さい。
  • Enterprise Cloud サービス上にOSライセンス切り替え作業対象の仮想サーバーを作成した後はPowerONしないでください。
  • OSライセンス切り替えではSysprepは実行されません。なお、Sysprepを実行したい場合はOSライセンス切り替え作業後の仮想サーバーを再度テンプレート化し、そのテンプレートから仮想サーバーを作成し、起動前にカスタマーポータルより「Change SID」をクリックしてから起動して下さい。
  • OSライセンス切り替え作業前にPowerONした仮想サーバーや既に起動中の仮想サーバーに対して、OSライセンス切り替え作業を申し込む場合は、事前にお客様にて動作確認を実施し、PowerOFFにしてから申し込む必要があります。また弊社の作業時に、ゲストOSカスタマイゼーションが実施されます。詳しくは、「3.1.5 リソースの仮想サーバーへの割り当て」の「ゲストOSカスタマイゼーションについて」を参照してください。
禁止事項
 以下に挙げるような行為は、お客様とMicrosoft社との契約またはRed Hatとのエンタープライズ契約に違反、または、弊社のサービス機能説明書またはサービス提供条件書で規定された不正使用に該当します。この場合、弊社からお客様に対してサービス停止などのペナルティを課す対象となる可能性や、Microsoft社が不正使用のペナルティを課す可能性があります。
 以下の行為は具体的な例です。ペナルティを課す可能性が発生する行為は、以下の行為に限定されるものではありません。
  • OSライセンスで提供するライセンス製品またはサブスクリプション製品を弊社が指定するクラウド環境以外で使用する行為
  • カスタマーポータルの機能を使用して仮想サーバーのイメージを再テンプレート化して保存し、エクスポート機能を使用してそのテンプレートを弊社クラウド環境以外に保存し、そのファイルを基に新しい仮想サーバーを作成して、弊社が提供したライセンス製品またはサブスクリプション製品を実行する行為
  • 弊社への通知なしに、ソフトウェアを複製して利用する行為
  • 弊社への通知なしに、OSライセンスを利用して動作している仮想サーバーのイメージを複製し、登録情報を変更せずに別の仮想サーバーとして動作させる行為