3.3. プライベートカタログ

 プライベートカタログは、作成した仮想サーバーのテンプレートを保存するディスクを提供するサービスです。プライベートカタログに保存されているテンプレートから、新しい仮想サーバーを作成できます。

3.3.1. 利用できる機能

 プライベートカタログでは以下の機能を利用できます。
  機能 概要
1 テンプレートカタログ保存用ディスクの提供 仮想サーバーのテンプレートを保存するディスク領域の提供、および容量を追加・削減する機能。このディスク領域に保存されているテンプレートから、新しい仮想サーバーを作成できます。
2 テンプレートの作成機能 作成した仮想サーバーをテンプレートへ変換する機能。作成したテンプレートを削除することもできます。
3 テンプレートのインポート機能 ローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーイメージをプライベートカタログへインポートする機能。
4 テンプレートのエクスポート機能 プライベートカタログに保存されているテンプレートをローカルサーバーなどにエクスポートする機能。

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重要

  • プライベートカタログは、コンピュートリソースプールと同じデータセンターでのみ利用できます。データセンター間をまたいで利用することはできません。

注釈

  • プライベートカタログのディスク領域は、複数のユーザーで共用するストレージ装置のディスクリソースを使用して提供されます。ユーザー固有のプライベートカタログとしてディスクリソースが提供されますので、他のユーザーからはアクセスできません。

3.3.2. テンプレートカタログ保存用ディスクの提供

 カスタマーポータルを利用して、プライベートカタログのディスク領域の容量を以下に記載した範囲で追加・削減できます。
項目 下限 上限 設定単位
ディスクリソース 10 GB 4,000 GB 1 GB

重要

  • コンピュートリソースで提供されているOSライセンスを含む仮想サーバーをテンプレート化し、それを元に仮想サーバーを作成した場合、ゲストOSのライセンス利用料が発生します。対象となるゲストOSの種類について詳しくは、「3.4 OSライセンス」を参照してください。
  • 仮想サーバーのディスク容量とメモリー容量の合計値が4000GB以上の場合仮想サーバーテンプレートを作成することはできません。

注釈

  • プライベートカタログのディスク領域をすべて削除することもできます。

3.3.3. テンプレートの作成機能

 作成した仮想サーバーを変換し、テンプレートとしてプライベートカタログに保存できます。また、保存したテンプレートを削除できます。
 テンプレートを作成する際は、以下の条件を満たしていることを確認してください。
  • 仮想サーバーがPowered Off状態であること
  • プライベートカタログのディスク領域に、仮想サーバーのディスク容量とメモリー容量の合計値以上の空き容量が確保されていること

注釈

  • テンプレートの作成・削除によって、仮想サーバーそのものが削除されることはありません。仮想サーバーのルートディスクおよびデータディスクの構成およびデータは保持されます。
プライベートカタログのディスクリソース消費の考え方
 テンプレートの作成時には以下の容量が、プライベートカタログのディスクリソースから消費されます。
  • 仮想サーバーにマウントしている全ディスク容量の合計値
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注釈

  • テンプレートによって消費されるプライベートカタログのディスクリソースは、仮想サーバーイメージを作成した仮想サーバーのディスク容量の合計値のみです。メモリー容量は含まれません。

3.3.4. テンプレートのインポート機能

 ローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーイメージを、プライベートカタログへインポートできます。
 仮想サーバーイメージファイルを、カスタマーポータルからWebブラウザ経由でアップロードすると、仮想サーバーイメージファイルがテンプレートへ変換され、プライベートカタログに保存されます。

重要

  • 仮想サーバーイメージをインポートするには、プライベートカタログのディスク領域に、インポートする仮想サーバーイメージのディスク容量とメモリー容量の合計値以上の空き容量が必要です(OVAファイル自体のファイルサイズではありません)。
  • インポートされた仮想サーバーイメージに含まれるゲストOSおよびアプリケーションなどのソフトウェアについては、お客様の責任で適正にライセンスを管理してください。例えば、コンピュートリソースにおけるライセンスの利用可否については、お客様自身でゲストOSおよびアプリケーションの提供元に確認の上、利用してください。
  • ゲストOSがWindows Serverの仮想サーバーイメージをインポートして利用するには、OSライセンス切替え作業が必要です。詳しくは、「3.4 OSライセンス」を参照してください。
プライベートカタログのディスクリソース消費の考え方
 テンプレートのインポート時には以下の容量が、プライベートカタログのディスクリソースから消費されます。
  • 仮想サーバーにマウントしている全ディスク容量の合計値
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注釈

  • テンプレートによって消費されるプライベートカタログのディスクリソースは、仮想サーバーイメージを作成した仮想サーバーのディスク容量の合計値のみです。メモリー容量は含まれません。

仮想サーバーイメージインポート機能
 本サービスでインポート可能な仮想サーバーイメージに関する条件は以下のとおりです。
  • 仮想サーバーイメージの作成に関する条件

     仮想サーバーイメージは以下の環境で動作している仮想サーバーから作成されたものとします。
    • VMware vSphere 4.X以上
    • VMware ESXi 4.X以上
 仮想サーバーイメージの作成は、以下に記載するVMware vSphereドキュメントセンターの情報を参考に、仮想サーバーテンプレートのエクスポート(OVFテンプレートのエクスポート)を行ってください。(外部リンク)
 「ゲストのカスタマイズを有効化(Enable Guest Customization)」をオンにする必要があります。
 「ゲストのカスタマイズを有効化(Enable Guest Customization)」がオフのまま仮想サーバーイメージを作成した場合、お客様にて本サービスのカスタマーポータルの【Guest Customization Enbaled】ボタンを用いて、仮想サーバーに対して「ゲストのカスタマイズを有効化(Enable Guest Customization)」をオンにする作業を実施する必要があります。
 仮想サーバーイメージは正常終了した仮想サーバーから作成してください。異常終了した仮想サーバーから作成した仮想サーバーイメージでは、本サービスにて仮想サーバーを作成することが出来ません。
 仮想サーバー(仮想マシン)が複数含まれる仮想サーバーイメージは持ち込めません。ファイルを分割した仮想ディスク(VMDKファイル)を含む仮想サーバーイメージは持ち込めません。
 ISOイメージファイル等の追加リソースファイルを含む仮想サーバーイメージは持ち込めません。
  • 仮想サーバーイメージファイルに関する条件

     仮想サーバーイメージの形式は、OVAパッケージ(単一のファイル)形式(バージョン1.0.0または1.1.0)で保存してください。
     ファイルサイズは、250 GB以下としてください。
     仮想サーバーテンプレートのエクスポート(OVF テンプレートのエクスポート)時に、仮想サーバーイメージのファイル名およびお客様VMware環境にてお客様独自のパラメータを入力する各種フィールドにて使用できない文字は以下の通りです。
    • 半角スペース、2バイト文字、Windowsでファイル名として許容できない文字
    • 上記の条件以外のUTF-8で規定されていない文字
  • 仮想サーバーハードウェアに関する条件

項目 Windows Linux
仮想マシンのバージョン 7,8,9,10,11
仮想マシンのOS種別 インストールされているゲストOSに適するOS種別
必須仮想デバイス
CPU
メモリ
ビデオカード
VMCIデバイス
SCSIコントローラー
CD/DVD ドライブ(1つ目)
フロッピードライブ(1つ目)
ハードディスク(1つ目)
非対応仮想デバイス
パラレルポート
SCSIデバイス
シリアルポート
USBコントローラー
USBデバイス
PCIデバイス
CD/DVDドライブ(2つ目以降)
フロッピードライブ(2つ目以降)
SCSIバスの共有 なし
SCSIコントローラー LSI Logic SASを推奨 LSI Logic パラレルを推奨
vCPU数 1, 2, 4, 6, 8個
CPUコア数 1コア/ソケット
CPU制限 制限なしのチェックが入っていること
メモリー容量 1GB以上、32GB以下
仮想ディスクタイプ シンプロビジョニングを推奨 (シックプロビジョニングでも可)
仮想ディスク数 最大7 (ルートディスク含む 非独立型のみ)
ルートディスクの仮想デバイスノード ※1 SCSI(0:0)
仮想ディスク容量 ※2 2000 GB以下(すべての仮想ディスク合計サイズ)
vNIC ※3 全て削除を推奨 (接続されたままであった場合には自動で削除されます)
VMCI 機能 無効であること
CD/DVDデバイス ※4 ホストデバイスマウントまたはクライアントデバイスマウント設定であること
※1 ルートディスクは、インポートした後に変更できません。
※2 プライベートカタログに格納された仮想サーバーテンプレートは、仮想サーバーイメージファイルの実容量ではなく、仮想ディスク容量を消費します。プライベートカタログの空き容量が仮想ディスク容量以下の場合、インポートできませんのでご注意ください。
※3 既存のvNICは削除され、本サービスに準拠した新しいvNICが作成されます。
※4 ISOイメージをマウントした状態ではインポートできません。アンマウントした状態で仮想サーバーイメージファイルを作成してください。

  • 仮想サーバーのゲストOSに関する条件
 利用可能なゲストOSは、以下のVMware社のドキュメントを参照ください(外部リンク)。

3.3.5. テンプレートのエクスポート機能

 プライベートカタログのテンプレートを仮想サーバーイメージに変換し、カスタマーポータルからWebブラウザを利用して、お客様環境へエクスポートすることができます。

重要

  • エクスポートされた仮想サーバーイメージに含まれるゲストOSおよびアプリケーションなどのソフトウェアのライセンスを弊社が所有している場合、当該のライセンスをお客様のローカルコンピューターなどで継続して利用することはライセンス違反になるため、これを禁止します。この場合、当該ソフトウェアのライセンスをお客様が所有のライセンスに切り替えるなど、お客様の責任で適正にライセンスを管理してください。

注釈

  • カスタマーポータルのログイン中に確立したダウンロードセッションは、カスタマーポータルログアウト後も継続されます。ただし、48時間以上継続してダウンロードした場合、当該ダウンロードセッションが切断される場合があります。
  • テンプレートをエクスポートしても、当該テンプレートは削除されません。

3.3.6. 注意事項

Windows ServerゲストOSに関する注意事項
 ゲストOSにWindows Serverを使用しているテンプレートから仮想サーバーを作成する場合は、仮想サーバーの初回起動時にSysprepが自動的に実行されます。Sysprepは、Windows OSの事前システム設定を行うツールです。

重要

  • Microsoft社の製品仕様およびライセンス条件により、以下のようにSysprepの実行回数には上限があります。上限を超えた場合、仮想サーバーを利用できない場合があります。

     Windows Server 2012 R2 : 1000回

     Windows Server 2012 : 1000回

     Widnows Server 2008 R2 : 3回

    ※ テンプレートを使用して仮想サーバーを作成すると、1回消費されます

ゲストOSの設定に関する注意事項

  • テンプレート作成機能ご利用の場合
 ゲストOSのネットワーク設定を変更する場合は、使用しないネットワークアダプタ(ゲストOSから認識されるネットワークインターフェース)であっても、カスタマーポータルで認識済みのアダプタを無効化しないでください。ゲストOSでアダプタを無効化したテンプレートから仮想サーバーを作成した場合、不具合が生じる場合があります。
  • テンプレートのインポート機能ご利用の場合
項目 Windows Linux
ファイアウォール設定 ※1 ICMP 通信が許可されていること(Ping監視機能を利用するために必要です。)
Perl - ゲストOS付属の純正のものがインストールされていること
ネットワークアダプタの設定
すべて有効であること
(ネットワークアダプタの設定を無効化した場合、仮想サーバーが正常に動作しない場合があります。)
VMware Toolsのインストール状況 VMware Toolsがインストール済み(インストール可能な最新バージョン)で、仮想サーバー起動時にVMware Toolsが起動するように設定されていること
※1 ファイアウォールの設定等の仮想サーバーのセキュリティ対策はお客様にて設定する必要があります。

 ゲストOSに対してインポート前にインストールされていた、ハードウェアに依存するソフトウェア(物理サーバーでのハードウェア監視エージェントなど)は、事前に無効化またはアンインストールすることが必要です。
 インポート後のOSライセンスおよびその他にインストールされているすべてのソフトウェアについては、お客様の責任にて適切なライセンスを用意することが必要です。
 なお、通常、ゲストOSとしてWindows Serverを利用している仮想サーバーをインポートした場合には、Windows ServerサービスにてOSライセンススイッチ作業を実施することが必要です。また、Windows ServerのSIDの重複を避けるため、仮想サーバーに対してSIDの変更設定を有効化する必要があります。お客様にて本サービスのカスタマーポータルの【Set Change SID Enbaled】ボタンを用いて作業を実施する必要があります。
サーバーセグメントの削除に関する注意事項
 サーバーセグメントにvNICが接続する仮想サーバーをテンプレート化した場合、当該テンプレートがプライベートカタログ上に存在する限り、当該サーバーセグメントを削除することができません。削除する可能性があるサーバーセグメントがある場合、仮想サーバーのテンプレート化に当たっては、当該サーバーセグメントからvNICを外したのち実行いただく必要があります。