3.2. コンピュートリソース(専用機器)

 コンピュートリソース(専用機器)は、仮想サーバーを作成するためのCPU、メモリー、ディスクの組み合わせによる仮想的な機器(コンピュートリソース)を提供するサービスです。お客様専用の物理筐体内の物理サーバーおよびストレージ装置を仮想化して、コンピュートリソースを提供します。
 お客様は利用するデータセンター内で、専用機器を複数利用できます。

3.2.1. 利用できる機能

 コンピュートリソース(専用機器)では以下の機能を利用できます。
  機能 概要
1 コンピュートリソースプールの提供
仮想サーバーを作成するためのコンピュートリソースプール(CPU、メモリー、ディスク)は複数作成し、利用することができます。
なおコンピュートリソースには、弊社が用意したお客様専用の物理サーバーおよびストレージ装置を利用します。
2 コンピュートリソースプールに対する制御機能
コンピュートリソースプールに対して以下の操作を行うことができます。
  • ディスクのリソースを確保する値(予約値)の指定
  • コンピュートリソースプールの追加・削除・変更

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注釈

  • コンピュートリソース(専用機器)は、他のお客様と物理的な設備を共有するコンピュートリソースと同様の機能を提供するサービスです。ここでは、2つのサービスの違いについて説明しています。コンピュートリソースについて詳しくは、「3.1コンピュートリソース」を参照してください。
  • ストレージ装置は、利用用途に応じて性能が異なるストレージクラス(Premium、Premium+)から選択できます。

3.2.2. コンピュートリソースプールの提供

 コンピュートリソース(専用機器)では、弊社が用意したお客様専用の物理サーバーおよびストレージ装置で構成されたコンピュートリソース(CPU、メモリー、ディスク)を利用できます。また、コンピュートリソースを、複数のコンピュートリソースプールに分けることができます。
 コンピュートリソースプールの追加・削除・変更を行う際は、別途定める申込書を提出してください。
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重要

  • コンピュートリソースの利用状況によっては、コンピュートリソースプールの追加・削除・変更ができない場合があります。
利用単位
 専用機器で取り扱う物理サーバー(正常系サーバー、待機系サーバー)とストレージ装置を、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
 物理サーバーの追加・削除・変更を行う際は、別途定める申込書を提出してください。
専用機器 下限 上限 申込単位
正常系サーバー 1台 18台 1台
待機系サーバー 1台 2台 1台
ストレージ装置 1台 1台 -

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重要

  • コンピュートリソース(専用機器)では、物理サーバーはHAクラスタ構成を組むため、1つの専用機器に最小構成で正常系サーバー1台、待機系サーバー1台、合計2台が必要です。
  • コンピュートリソースの利用状況によっては、物理サーバーの追加・削除ができない場合があります。
 専用機器から1つのコンピュートリソースプールに割り当て可能なリソースは下記です。
リソース 下限 上限 申込単位
CPU 1 GHz HAクラスタ[正常系サーバー]のCPU容量の合計値 1 GHz
メモリー 1 GB HAクラスタ[正常系サーバー]のメモリー容量の合計値 1 GB
ディスク 50 GB ストレージ装置のディスク容量 50 GB

注釈

  • 物理サーバーを追加する場合、利用状況によって利用中のリソースプールにリソースの追加割り当てが出来ない場合があります。物理サーバーを追加する際にはご相談ください。

注釈

  • 1台の仮想サーバーへ割り当て可能なルートディスクとデータディスクの容量は、コンピュートリソースプールの残ディスク容量から仮想サーバーへの割当メモリー(仮想化オーバーヘッド分)を引いた値です。

クラス
 コンピュートリソースプールは、物理サーバーにより提供されるコンピュートクラス(CPU、メモリー)と、ストレージ装置により提供されるストレージクラス(ディスク)の2種類で構成されています。コンピュートクラスは、リソース容量の異なる3種のサービスクラス(Small、Medium、Large)から選択して利用できます。ストレージクラスは、ディスク性能が異なる2種類のサービスクラス(Premium、Premium+)に分かれており、用途に応じて選択できます。
クラス リソース サービスクラス 内容
コンピュートクラス
(物理サーバー)
CPU
メモリー
Small 中規模な容量を持つ物理サーバーでCPUリソース、メモリーリソースを提供します。
Medium 大規模な容量を持つ物理サーバーで、CPUリソース、メモリーリソースを提供します。
Large 超大規模な容量を持つ物理サーバーでCPUリソース、メモリーリソースを提供します。
ストレージクラス
(ストレージ装置)
ディスク Premium 高速なディスク性能(iSCSI相当)のディスクリソースを提供します。
Premium+ Premiumより高速なディスク性能(FC相当)のディスクリソースを提供します。

物理サーバーの性能について
 1台の物理サーバーの物理構成は以下のとおりです。
世代 サービスクラス 物理CPUソケット数 合計CPUコア数 CPU ※ (GHz) メモリー ※ (GB) CPUの処理能力
Generation1 Small 2 16 32 128 インテルXeon2.0GHz相当
Medium 4 32 70.4 192 インテルXeon2.0GHz相当
Large 4 32 86.4 768 インテルXeon2.0GHz相当
Generation2 Small 2 16 41.6 128 インテルXeon2.6GHz相当
Medium 4 32 83.2 192 インテルXeon2.6GHz相当
Large 4 32 83.2 768 インテルXeon2.6GHz相当
Generation3 Small 2 16 38.4 128 インテルXeon2.4GHz相当
Medium 4 40 80 192 インテルXeon2.0GHz相当
Large 4 40 80 768 インテルXeon2.0GHz相当
※ 実際に利用可能なリソース量は仮想化によるオーバーヘッドを引いた値です。オーバーヘッドはおよそ10%~15%必要です。以下新規利用開始時に利用可能なコンピュートリソース量(2015年12月時点)
1台の物理サーバーで利用可能なリソースの目安(2015年12月時点)
世代 サービスクラス CPUリソース(GHz) メモリーリソース(GB)
Generation1 Small 27 115
Medium 65 182
Large 80 730
Generation2 Small 35 115
Medium 75 176
Large 75 729
Generation3 Small 32 115
Medium 72 176
Large 72 729

注釈

  • CPUリソースの1GHzが提供するCPUの処理能力は、上記に記載されている物理プロセッサが1GHzで動作した場合と同等の処理能力を持っています。

    コンピュートリソース(専用機器)では、仮想サーバーに割り当て可能なリソースを有効活用するために、CPUリソース、メモリーリソース、ディスクリソースに対してパラメータを設定できます。詳しくは、「3.2.3 リソースのパラメータ設定」を参照してください。

ストレージ装置が提供するディスクリソースについて
 ストレージ装置のストレージクラスおよびプランを、用途に応じて選択できます。
 利用開始時に選択できるストレージ装置およびリソースは以下のとおりです。
ストレージクラス プラン ディスクリソース
Premium 3 TB 3,072 GB
6 TB 6,144 GB
9 TB 9,216 GB
12 TB 12,288 GB
15 TB 15,360 GB
18 TB 18,432 GB
21 TB 21,504 GB
24 TB 24,576 GB
Premium+ 3 TB 3,072 GB
6 TB 6,144 GB
9 TB 9,216 GB
12 TB 12,288 GB
15 TB 15,360 GB
18 TB 18,432 GB
21 TB 21,504 GB
24 TB 24,576 GB

【参考】各ストレージクラスのI/O性能目安について
  インターフェース I/O性能目安
Premium iSCSI相当 約8,300 IOPS/24 TB、約1,800 IOPS/3 TB
Premium+ Fibre Channel相当 約18,600 IOPS/24 TB、約5,700 IOPS/3 TB

 IOPSとは、記憶装置(ハードディスクなど)の性能指標の1つで、ある条件の下で1秒間に読み込み・書き込みできる回数のことです。上記のIOPS値は、以下の条件で測定したパフォーマンス値です。
計測条件 コンピュートリソースプール上に1つの仮想サーバーを作成し、ベンチマークを複数回実施し、平均値を算出した。
仮想サーバーの条件 vCPU 8個
メモリー 16GB
ゲストOS Red Hat Enterprise Linux 6.2
ベンチマークツール Fio
設定パラメータ
direct=1(unbuffered I/Oにて計測)
runtime=300(計測時間が300秒)
size=16GB(テストファイルサイズが16GB)
readwrite=RandomReadWrite(ランダムリード・ライトにて計測)
rwmixread=50(リード・ライト比率が50:50)
blocksize=4k(ブロックサイズが4kbyte)

HAクラスタ機能について
 コンピュートリソース(専用機器)でも、コンピュートリソースと同様のHAクラスタ機能が提供されます。HAクラスタ機能について詳しくは、「3.1.2 コンピュートリソースプールの提供」の「HAクラスタ機能について」を参照してください。
専用機器の追加・削除
 コンピュートリソース(専用機器)を複数契約すると、複数の専用機器を持つことができます。
 専用機器の追加・削除を行う際は、別途定める申込書を提出してください。
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重要

  • 専用機器を削除する際は、削除する専用機器上のコンピュートリソースを使用するすべての仮想サーバーを、事前に削除してください。

3.2.3. リソースのパラメータ設定

 コンピュートリソース(専用機器)では、仮想サーバーに割り当て可能なリソースを有効活用するために、CPUリソース、メモリーリソース、ディスクリソースに対してパラメータを設定できます。設定には書面によるお申込みが必要です。
 ○が記載されている項目が、設定可能な項目です。例えば、制限値の場合、CPUリソースとメモリーリソースに設定できます。
項目 説明 CPU メモリー ディスク
制限値 コンピュートリソースプールが利用可能なリソースの上限値を設定します。 -
予約率※ 制限値に対して予約値が占めるパーセント値を設定します。
弊社
指定値
弊社
指定値
-
予約値 コンピュートリソースプールが必ず利用できるリソース値を設定します。
弊社
指定値
弊社
指定値

CPUリソース
 CPUリソースを、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
  下限 上限 設定単位
制限値 1 GHz HAクラスタが提供するリソース値 1 GHz

メモリーリソース
 メモリーリソースを、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
  下限 上限 設定単位
制限値 1 GB HAクラスタが提供するリソース値 1 GB

ディスクリソース
 ディスクリソースを、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
  下限 上限 設定単位
予約値 50 GB ストレージ装置が提供するディスクリソース 1 GB

重要

  • 同一のストレージ装置に属する全コンピュートリソースのディスクリソースの予約値の合計が、当該ストレージが提供するディスクリソースを超えることはできません。

注釈

  • カスタマーポータルで表示されるディスクリソースは、表の値と前後する場合があります。
  • ストレージクラスによって、ディスク性能が異なります。詳しくは、「3.2.2 コンピュートリソースプールの提供」の「クラス」を参照してください。

3.2.4. リソースの仮想サーバーへの割り当て

 コンピュートリソースプールのリソース(CPU、メモリー、ディスク)を仮想サーバーに割り当てて、仮想サーバーを作成します。
vCPU
割り当て可能な数量について

 専用機器の場合、1台の仮想サーバーへ割り当て可能なvCPU数は以下のとおりです。
カスタマーポータル ver2.0
メニュー 物理サーバー 最小 最大 単位
コンピュートリソース(専用機器) Small 1 16 1
Medium 1 32 1
Large 1 32 1

注釈

  • 仮想マシンバージョンが7 の場合、 vCPU の最大数は 8 個です。仮想サーバーテンプレートをインポートしてご利用される場合はご留意ください。
メモリー
 コンピュートリソースプールから、メモリー容量を指定して、仮想サーバーに割り当てることができます。

割り当て可能な数量について

 専用機器の場合、1台の仮想サーバーへ割り当てるメモリー容量を、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
カスタマーポータル ver2.0
メニュー 物理サーバー 最小 最大 単位
コンピュートリソース(専用機器) Small 1GB 96GB 1GB
Medium 1GB 128GB 1GB
Large 1GB 512GB 1GB

注釈

  • 仮想マシンバージョンが7 の場合、メモリーの最大GB数は255GBです。仮想サーバーテンプレートをインポートしてご利用される場合はご留意ください。
ディスク
 コンピュートリソースプールから、ディスク容量を指定して、仮想サーバーに割り当てることができます。

割り当て可能な数量について

 専用機器の場合、1台の仮想サーバーへ接続するデータディスク数およびディスク容量を、以下に記載した範囲で追加・削減できます。
カスタマーポータル ver2.0
  下限 上限 設定単位
データディスク数 0個 59個 1個
ディスク容量 1GB 2,047 GB 1GB
1MB 2,097,151MB 1MB

注釈

  • 1台の仮想サーバーへ割り当て可能なルートディスクとデータディスクの容量は、コンピュートリソースプールのディスク容量から割当メモリー(仮想化オーバーヘッド分)を引いた値です。
    例:ストレージプラン6TBをご契約、リソースプールの空きストレージリソースが6,000GBの場合、メモリーを128GB搭載すると合計ディスク容量は5,872GB (=6,000-128)が上限です。
    割当例:
    ルートディスク:80GB
    データディスク1:2000GB
    データディスク2:2000GB
    データディスク3:1872GB

3.2.5. 注意事項

  • 「ストレージクラス(Premium、Premium+)の変更」および「ストレージ装置を2つ以上に追加」することはできません。そのため、申し込み時に将来的なストレージ利用計画を検討した上で、ストレージクラスを選択してください。
  • 「ストレージ装置のプラン変更(ディスクリソースを追加)」はできます。ただし、ディスクリソースの値を減らすプランの変更はできません。
  • 「ストレージ装置のプラン変更」を行った場合、当該変更申し込みに関する開通日を、契約の最低利用期間の新たな起算日とします。
  • コンピュートクラス(Small、Medium,Large)および異なる世代の混在利用は出来ません。上限値の範囲内で同じコンピュートクラス、同世代の物理サーバーを追加する事が可能です。
  • コンピュートクラス(Small、Medium、Large)提供可能データセンターは本書「1.3.2 提供データセンター」の項目をご参照ください。
コンピュートリソース(専用機器)の新規販売停止について

  • Generation1、Generation2はすべてのデータセンターにおいて新規販売を停止しています。